眠れぬ夜の誘惑

ある事件に巻き込まれたフィービーはマスコミの執拗な追跡を逃れるため、友人の兄ケインの屋敷にしばらく滞在することになった。
彼はしぶしぶフィービーが来ることを認めたものの、いっさいかかわりを持とうとはしない。
豪華で広大な屋敷で一人過ごすうち、かつて彼と交わした、一度きりの口づけの思い出がよみがえり、甘いときめきとともにフィービーは決意した。
ケインの心をつかんでみせる、と。
エマンド国王女のジェーンは慈善パーティに出席し、ボビー・キャラハンにひと目で惹かれた。
彼女は衝動的な思いに驚きながらも彼を追いかけた。
陰から見つめているのをボビーに気づかれてうろたえるが、逆に彼に誘惑され、そのままベッドをともにしてしまう。
十日後、別のパーティで二人は偶然再会し、ジェーンがうれしさに舞いあがったのもつかの間、ボビーは彼女の兄が誰かを知るや、冷酷な人間に豹変した。
いったい何が起きたの?ジェーンはただ戸惑うしかなかった。
イラストレーターのリズはうんざりしていた。
目の前にいるモデルが、どうしてもイメージと違うのだ。
休憩をしようと外に出たリズは偶然すれ違った男性を見て息をのむ。
私の理想にぴったりだ!デビッドと名乗る男性は、一日だけモデルを務めることをこころよく受け入れてくれた――夕食をともにする条件で。
翌日にはモスクワに赴任するという彼と、互いに引かれ合いながら、リズは熱いキスだけをかわして別れた。
だが五年後、ある皮肉な運命が二人を待っていた。
美しい顔にいつも冷静な雰囲気を漂わせた女性。
周囲の人々は女性弁護士リンをそう評する。
だから大富豪ジョセフの依頼で、彼の孫のリックに会いに行ったときも、リンは必要なことだけを告げた。
目の前にいる男性のせいで、全身が熱くなっていることは無視して……。
ジョセフが孫を呼び寄せたがっていると伝え、リンは説得を続けるが、リックは関心を示してくれない。
そんなある夜、リックとパーティに出席することになり、リンはとまどいながらも大胆な賭に出ることにした。
目を覚ましたダニーは、裸でベッドに横たわっているのに気づいて愕然とした。
長年のいがみ合いを改善しようと、ダニーは人気俳優のボーと一緒にこの別荘にやってきた。
だが夕食の席で酒を飲み、そのあとの記憶はまったくないのだ。
覚えているのは、ボーと愛を交わしたとぎれとぎれの記憶と、それがとてもすばらしいものだったということ。
ダニーは浮かんできた情景にいたたまれなくなってその場から去った。
一夜の過ちが思いがけない出来事の始まりになるとは想像もせずに。
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